現在、横浜・COTE-JOYで販売中のモリアオガエルはこちらのページをご覧ください
また、カエルブログでも紫外線や人工餌など気になるテーマで記事を書いています。
合わせてご覧ください!
モリアオガエルとは
モリアオガエルは樹上性カエルとしては国内最大の蛙です。
オスで4~7㎝、メスで6~9㎝になります。
地方によって遺伝子が違うようで、大きさ、色、柄など地域ごとに特色があります。
希少性が高く、自然に囲まれた池と、その上にうっそうと樹木が張り出しているところじゃないと繁殖出来ないので生息域が限られ、県によっては絶滅危惧種や天然記念物に指定されているところもあります。
また生息している県の中でも採取禁止の地域も多く、普段高い樹の上で生活していることと相まって、野生のモリアオガエルを見かけることはめったにありません。
モリアオガエルは樹の上に泡に包まれた卵を産み、雨と共に泡から下の池にオタマジャクシとして落ちる繁殖方法をとります。
繁殖期(4月~7月)以外は高い樹の上で生活しているので人目に触れることはめったになく、野生のモリアオガエルを眼にすることができるのは地上に下りる繁殖期のみになります。
繁殖期になるとオスは「コロロロ」と鳴き、メスを呼びます。
童謡『かえるのうた』の最後でゲロゲロゲロゲログワッグワッグワッと歌いますが、あれはモリアオガエルの声ではないなあとわが家の蛙達の声を聞いて思います。
カジカガエルほど涼やかではありませんが、夏に癒やされる音色だと思います。
大きな野生(WC)のオスだとそれなりに声も大きいですが繁殖(CB)個体はかわいらしい声です。
神奈川県や東京の奥地に若干生息する種類は緑一色が多いようですが、地域によりスポットと言われる柄がでる個体がいて、全身がスポットで覆われる個体ほど人気があるようです。
スポットには黒、茶、オレンジなどがあり、最もマニアに人気なのはゴールドスポットです。
野生で捕まえた物はWC、人間による繁殖個体はCBと呼びますが、基本WCの方が柄が出やすく大型に育ちます。人にあまりなつかず、寄生虫などを持っている可能性もあります。
それに比べCBは小ぶりで柄や色が淡い傾向がありますが、人慣れしていて人工餌にも餌付きやすいです。
初心者の方は圧倒的にCBが飼いやすいのでおすすめです。
モリアオガエルの魅力
生き物はざっくりとした言い方をすると、体が大きい方が脳も大きく知能が高い傾向があります。
爬虫類・両生類も同じで、日本で一番大きい蛙、ヒキガエルは飼い主になつく、名前を呼ぶと寄ってくる、などと言われマニアに人気です。
モリアオガエルはヒキガエルの次に大きくなり、色も緑系で、「ザ・カエル」のイメージそのもの。
おっとりしていて餌をねだるときなどは自ら手に乗ってきます。
ただしこれはCB個体で、WC個体は慣れにくい傾向があります。
慣れるといっても、犬や猫のなつき方とは違います。「敵ではない餌をくれる人」くらいのイメージでしょうか。
それでも飼い主に馴れると、いそいそと寄ってきてかわいいものです。
朝出かけて帰ってくるまで同じ場所でぼーっとしていたり、時間の流れがまったりとしているのが、何かと忙しい人間にとって癒やしになり、近年カエル人気は沸騰中です。
また、蛙は毒を持つと言われます。
ヒキガエルの毒は有名ですし、アマガエルも弱毒ながら毒を持っています。
触っただけでかぶれたりというのではなく、危険にさらされると皮膚から毒を分泌して危険を回避しようとするのです。
やさしくそっと扱ってあげれば問題ないのですが、念のためカエルを触ったあとは手を洗うようにしましょう。
そして、モリアオガエルにはこの「毒」が全く無いのです。
手洗いはした方がいいと思いますが、無毒というのは他のペットを飼っている方にも安心ですよね。
またカエルの飼いやすいところは、他の爬虫類と違って人工餌に餌付きやすいことです。
手間はかかりますが、ピンセット給餌をすることで人工餌を食べてくれるようになります。
初めのうちピンセット給餌はコツがいりますが、おなかが空いていれば、スッと顔の前につまんだコオロギを出すと飛びついて食べてくれます。
これをしばらく続けたあと人工餌に移行してみてください。
最終的に人工餌だけで飼えるようになりますが、食欲がないなど体調がよくないときは活き餌が必要になることもあります。
やはり本能的に虫の動きは食欲をそそるようです。
他にも、多頭飼いができる(ほとんどの爬虫類はできません)、飼育ギアが簡単(紫外線ランプや保温球がいらない、ただし冬眠させない場合は冬の間の保温必要です)なども良いところです。
カエルを飼うときに準備する物
最低必要な物
飼育ケージ・・・最初はプラケースでも何でも大丈夫です。狭い隙間から脱走するので蓋付きのものに限ります。凝ったレイアウトなら両爬用ガラスキャビネットの前開きタイプがおすすめです。
水入れ・・・つかまりやすくあまり深くない物。カエルが水の中に座っても頭が出るくらいの水を入れます。
餌(コオロギ、または人工餌)コオロギの飼い方はコオロギの管理を参照してください
あると良い物
止まり木など登れるレイアウト類・・・樹上性なので上に上る性質があります。100均の突っ張り棒に人工の植物を巻き付けるだけでもOK!
霧吹き
ウールマット(熱帯魚用の濾過フィルターマット)・・・濡らしてケージの床に敷いたり、水入れに敷いたりと多用できます。
温湿度計・・・両爬用のものがホームセンターで手に入ります。100均でも売っています。
大きいスポイト(水替え用)・・・金魚や両生類の水換え用や灯油の抜き取りようなど。少しの水の汚れならこれで掃除できます。
掃除の時用のケージ・ピンセットなど・・・カエルは糞だけでなく尿の量が多いので掃除が必要です。ケージを二つ用意するか、掃除をしているときに入れておくプラケースなどがあると便利です。ピンセットは糞を取り除いたり餌を与えたりと用途が色々あります。
子ガエルの育て方
《上陸したてから生後数ヶ月くらいまで》
飼育ケージ
あまり大きくないなるべくレイアウトの少ないケースで育てます。
石や観葉植物などは子ガエルにとっては餌をみつけにくいので、ペットシーツなども敷かずに、プラケースに水入れのみです。
プラケースの蓋の隙間など、子ガエルが出られない大きさか確認してください。
私はプラケースに100均り突っ張り棒に100均の人工観葉植物を巻き付けた物を設置しています。
下には濾過フィルターマットをカットして水をたっぷり含ませ、その上に水入れを置いています。
濾過マットは何度も洗えて吸水力もあり経済的なのでおすすめです。
水入れの水は、カエルが座って顔が出る深さにして溺れないようにします。
保水
カエルは口から水を飲みません。
お尻から給水し、またいらなくなった水をお尻から排泄します。
なので水入れの水を取り替えないでいると繁殖した菌ごと給水してしまい、病気になりやすく、結果、短命になってしまいます。
なるべく毎日、少なくても1日おきには新鮮な水に替えたい物です。
水入れは平たくて出入りしやすい物なら100均の食器など何でもいいです。
小さいうちは器も小さいものを使い、大きく育ってから水入れのサイズを大きくしていく方がいいので、最初はあまりお金をかけなくても良いと思います。
爬虫類専用の水入れは傾斜がついていて、カエルだけでなく跳ねて飛び込んだコオロギもよじ登れるので、無駄な溺死を防ぎ便利です。小さい物なら数百円でネットやホームセンターで買えます。
とにかく子ガエルほど乾燥に弱いので、湿度を高くして(80%前後)、霧吹きで1日2~3回体をぬらしてあげます。
ホームセンターやネットで両爬用温湿度計が売っているので(1000円くらい)それをケース内に置いておくと目安になります。
子ガエルは普段は突っ張り棒につかまっていますが、体が乾いてくると、フィルターマットの上に座るか、水入れに入ります。
とくに体長3センチ位までは乾燥を恐れてあまり動こうとしないので、餌を与える前に霧吹きをしてあげると良いです。
自然界では雨が降っている夜にカエルが道ばたに出てきたりしますよね。
それを再現してあげる感じです。
掃除
カエルは想像以上に糞とおしっこの量が多いです。
おしっこというか、お尻から給水した水分の入れ替えをするためにおなかに貯めた水を排水するので、ケージの床が濡れやすいのです。
犬用のトイレシーツを敷いている人が多いですが、その下にコオロギが入り込んだりして面倒くさいことが多々あるので私は敷きません。もし敷くとしたら前述のフィルターマットがいいかと思います。
尿で汚れたら洗って何度でも使えますし、コオロギが溺れずにマットから水分を摂ることも出来るので一石二鳥です。
また、糞からはアンモニアが出ています。
掃除をせずケージ内を臭いままにしておくと、アンモニア中毒になり、食欲がなくなったり、弱ったりしてやがて死んでしまいます。
アンモニア中毒はコオロギの方が圧倒的に弱いので、汚れたケージにコオロギを放つと食べさせる前に死んでしまうのでご注意を(>_<)
特にカエルのケージは湿度を保つため匂いがこもりやすいので、糞が増えて匂うようならこまめにピンセットや箸で取り除き、まめにケージを洗いましょう。
頻度はケージ内に何匹入れているかによりますが、子ガエルのうちは私は毎日ケージを洗います。
温度・湿度
温度は16度を下回ると食欲が落ちます。10度以下では冬眠準備に入ります。
また、30度を超えると弱って死んでしまうので、夏場は窓際などでうっかり温度が上がらないようにしてください。
高くても27~28度くらいまでで、快適なのは25度前後のようです。
特に子ガエルのうちは25℃をなるべく保ってあげるようにしてください。
湿度は子ガエルうちは高め80%くらいを保ち、成長したらさほど気にしなくて大丈夫です。
餌
これがもっとも調達が大変なテーマでしょう。
子ガエルを育てたくて断念する一番の理由は小さい虫を捕まえるのが激務と言うことだと思います。
でも大丈夫!今はインターネットという強い味方がありますし最近はホームセンターでも生き餌を買えます!!
モリアオガエルは子ガエルになった直後から小さなコオロギを食べることができます。
(ヒキガエルなどは初令コオロギさえ大きくて食べられないのでショウジョウバエや小さなアブラムシを調達しなければなりません)
コオロギは両爬用食用コオロギで「ヨーロッパイエコオロギ」という外国産のコオロギが養殖販売されています。
カエルは人工餌に餌付けするのも簡単で、いずれ訓練すれば人工餌も食べてくれるようになりますが、子ガエルは無理なので、最初は小さいコオロギを与えてください。
子ガエル用の小さいコオロギを売っているホームセンターは少ないので、これはネットで買いましょう。
ネット検索すると、いくつものコオロギ屋さんが出てきます。
なるべく初令(生まれたてコオロギでピンヘッドとも言います)から終齢までサイズごとに売っていて価格がリーズナブルなところを選んでください。
私は色々なところから買いますが、少量から大量まで買えてサイズが豊富なので初めての方はスフィロアクアさんがおすすめです。
モリアオの子ガエルはスフィロアクアさんのサイズ3(3㎜前後)から、大きめ子ガエルならサイズ5(5㎜前後)位がスタートサイズだと思います。
カエルは少し大きい餌でも手を使って頬張るように食べるのでサイズ大きめでもいいのですが、子ガエルは大きすぎると恐怖を感じて食べなくなってしまうので、少し小さめで、目安は上からカエルを見て両目の幅程度がいいと思います。
子ガエルは乾燥を恐れて動かないでいますから、餌を与える前に体にかるく霧吹きをしてあげてから、ダスティング(カルシウムなどをまぶすこと)したコオロギをケースにパラパラと撒いてください。
これを一日1回、できれば夜にあげます。慣れれば昼でも食べるようになります。
カエルは夜目が利くので、安心できる暗い時間に餌を捕り、朝になると上に登って眠ります。
一日に食べる量は個体差もあるし、餌の大きさにもよりますが、大体1~3匹程度を目安にしてください。
コオロギの管理・育て方はコオロギの管理をご参照ください!
性成熟~大人までの育て方
ケージとレイアウト
カエルたちが大きくなってきたら、ここからがもう一つの楽しみ、ケージレイアウトにぜひ挑戦してみてください。
大人のカエルのケージ目安は30㎝の立方体のスペースで最大8匹です。それより狭いと成長が止まり、あまり大きくなれないだけでなく、ケージが汚れやすくなって掃除の手間が増えます。
樹上性カエルは上に登ろうとするので、横からも開けることのできる両爬用専用ケージが便利です。
プラケースより価格は高いですが、インテリアとしてもマッチし、メンテナンスが楽で、なによりビオトープをレイアウトするのが楽しいです。
カエル飼いの人たちはこのレイアウトに凝る人が多いので、ネットで調べると色々出てきます。
私が使っているのはグラステラリウム3030で、前開きで上がメッシュ、下が水槽として使えるので、水入れじゃなく、下を浅い池のようにレイアウトするのも可能です。
上写真のレイアウトは水を張ったケージの中に100均の人工芝を置き、(小さい子だと溺れ死ぬ可能性があるのでつかまれるために)ホームセンターの100円程度のレンガ、左の黒いのはやはり100均の発泡スチロールのブロックを2個ヒートガンで接着し、ヒートナイフで岩のように溶かして加工した物。そこに人工観葉植物を刺したり巻き付けたりしています。
ポトスの苗もおいていますが、人工物の方が糞が付いたときの掃除が楽なので7割は人工物です。
餌
大きくなってからは大人のコオロギが食べられるようになるので、近所の爬虫類ショップやホームセンターで少量ずつ買うのが便利です。ただしリアルショップは当然割高になるのと、欲しいサイズがないことが多いです。
ネットのショップだと100匹単位で買わなければならないのがデメリットなので、何度も注文しなくていいように、欲しいサイズと一回り小さめサイズを両方買うようにするのもありだと思います。
大きいほうから食べさせていき、なくなるころには小さいサイズが育っているので、送料などを考えると手間が省けます。
少しのサイズ違いなら同じケースに一緒に入れて、与える時に選り分ける方法もあります。
餌をあげる頻度は、大人になるまでは毎日、大人になってからは3~5日に一度あげます。
与えすぎは肥満で短命になると言われています。
とはいってもモリアオガエルの寿命はまだよくわかっていなくて、3~5年と言われていますが、大事に飼うと10年生きる個体もあるらしいです。
で、大人っていつなるの?と疑問がわきますが、これもよくわかりません。性成熟を大人と考えると約2年ですし、鳴き始めるくらいと思えば1年、大きくなることを基準にすると半年くらいでしょうか。
ま、その辺は皆さん試行錯誤なんだと思います。
餌の量は若いうちは「食べたいだけ」でいいと思います。少し大きめコオロギでも無理矢理自分の手で押し込みます。
餌のあげ方ですが、レイアウトしたケージに撒く方法もありますが、コオロギがすみっこに隠れてしまい、食べたかどうか次の掃除までわかりません。
なので私は餌用プラケージを別に用意してそこにカエルたちを出して、餌やりをします。
カエルが餌やりに慣れてきたら、ばらまき方式ではなくピンセットでコオロギをつまんで目の前で動かして食べさせます。面倒ですが、この手間をかけるとのちのち人工餌に移行できます。
「ピンセットの先にあるものは食べ物」という学習をしてくれると、本来動いている物しか食べないカエルが人工餌を食べてくれるようになります。
人工餌に餌付くまでは時間がかかる子もいますが、根気よく続ければほとんどの子が食べるようになります。食いつきが悪い時はコオロギと交互にやったりと工夫してみてください。
人工餌は虫を主食とする両爬用を選んでください。
色々なものが売られていますが、私はレオパ用餌が栄養バランス的にも食いつきでもおすすめでよく使います。
レオパはレオパードゲッコー別名ヒョウモントカゲモドキというヤモリで、ペットとして人気が高いので専用餌が沢山の会社から販売されています。
ふやかして与える物(キョーリン社レオパドライ)は常温保存が利き、使う分だけ霧吹きで濡らしてふやかしてから与えます。
もっとも好んで食べるのはチューブの練り餌(キョーリン社レオパゲル)です。これを絞り出してピンセットでつまんで与えます。
ただし練り餌は冷蔵庫で保存しても使用期限が1ヶ月程度なので少ない匹数だと使い切れないかもしれません。
また、このレオパ用人工餌はすでにカルシウムを強化しているので手間がかからず便利です。
温度・湿度
子ガエルと同じです。16度以上27度以下で管理してください。
湿度は大人になればあまり気にしなくても乾けば水に入って給水するので大丈夫です。
ケージの下部に水を張ったレイアウトだと、大体80%に勝手に保たれると思います。
また、手に乗せることはできますが、人間の手の温度はカエルにとってはやけどしてしまう高温なので、手を冷たく濡らしてから触る、また短時間にとどめるようにしましょう。
掃除・メンテナンス
カエルが死ぬ原因は脱走、細菌感染、アンモニア中毒、温度管理などがあります。
脱走は、掃除をしているときに飛び出して逃げる、また隙間から逃げたり、飛びついた拍子に扉が開いて、夜中のうちに逃げたして部屋の隅で干からびるということは避けたいものです。
大人のカエルなら1日~2日は大丈夫ですが、子ガエルは1日で脱水してしまいます。
細菌感染・アンモニア中毒は水を汚したままにしないことが一番じゃないでしょうか。
毎日水替えする人もいますが、私は水入れ方式からケージの下部分を水張りにする方式に替えてから水替えの頻度がすくなくすることができました。
水の量が多いのですぐに汚れずにすみます。
糞をしたらピンセットやスポイトなどで取り除き、細かい糞が多ければ半分くらいの水をスポイトで取って入れ替え、一週間に一度程度丸洗いします。
少し大きくなったモリアオガエルは、あまり上手ではありませんが泳げるようになりますので、水深はさほど気にしなくてよくなりますが、水に座って顔が出る深さまでの傾斜を作ってあげると安心ですし、カエルも喜びます。
掃除の時や餌やりでカエルをケージから出すときは、お尻の下から剥がすように手に乗せると割とおとなしく乗ってくれます。顔の前から取ろうとすると飛び跳ねて逃げることが多いです。
カエルを餌やりのケージに移している間に掃除を行い、できればカエルも軽く水道水で洗い、表面についたゴミを落とします。
カエル洗いをしているところのカエルは長生きという話を聞いたことがあるので、時間があるときはやるといいかもしれません。
うちのカエル達は洗ってもらうと気持ちよさそうにじっとしています。
冬越し
モリアオガエルは日本固有種のカエル(県によっては天然記念物や絶滅危惧種だったりします)なので、自然界では冬眠します。
冬眠させる方が長生きするそうですし、冬はカエル管理とコオロギ管理から解放されるので(12月~4月くらい)楽です!
ただし秋までにしっかり太れず栄養不足だったり、成長が未熟だったり、冬眠中の温度が高かったり、湿度が低かったりすると目覚めないままお亡くなりになってしまいます。
左の写真は、湿らせた水苔を7~8㎝厚さに敷き、水入れを入れた冬眠用プラケースです。
水入れはカップ焼きそばの容器(笑)に人工芝と小枝を置いています。これは冬の間に水浴びに起きてきて、そのまま低温で動けなくなったときにつかまって出られる用です(^_^)。
水入れに一匹、水入れのすぐ下に一匹潜っているのが見えます。
このケースには8匹のモリアオガエルが潜っています。
冬眠中の事故が怖い場合は寝かさない選択肢もあります。
そのときは16℃以下にならないように管理して餌をあげ続けます。
温度管理はパネルヒーターや「暖突」などの上部ヒーターを使って暖めます。
また生まれて一年目は冬眠させない方がいいとアドバイスしているサイトも多いです。
私は初年度は、しっかり餌を食べさせ、痩せこけてないのを確認して、1月から3月の間の短期間のみ寝かせました。全員無事でした。
2年目からは通常の12月から寝かせています。
冬眠させるなら、まず餌切り(餌をあげないで胃を空にさせること)をします。
おなかの中に未消化の餌が残ったまま温度を下げると消化できなくなり餌が体内で腐り、カエルも死んでしまいます。カエルの消化期間は大体3日くらいですが、念のため一週間餌切りをし、それから徐々に温度を下げます。
床のパネルヒーターを敷いている場合はそれを切る、数日したら少し寒い場所に移す、最後にベランダなど外気に近い場所に移す、などして3℃~5℃になったのを確認してください。10℃より下回らない環境しか無い場合は冬眠させない方が良いと思います。
温度が中途半端だとエネルギー代謝があがり餓死してしまうからです。
ケージの準備は、まず一番下にフィルターマットを敷き、その上に水苔をびしょびしょに濡らして厚さ7~8㎝になるよう敷き詰めたケースの中に水入れをいれ、カエルを入れて真冬の外気と似た環境に置きます。
冬眠に入るときはその水苔の中にもぐり込みます。
5℃前後で管理するのが理想で、0℃で若干凍っても死なないそうです。
たまに水苔が乾いてないか、水入れの水がなくなってないか、温度があがってないか確認します。
冬の間でも暖かい日には起きてきて水浴びをしたりして給水するようです。
両爬が死ぬことを「落ちる」と言いますが、春起こしに行ったら落ちてるのはかなりへこむので、それが怖い方は冬の間起こしておきましょう。
オスメスの見分け方と性成熟
基本性成熟してからケロケロ鳴くのがオス、黙っているのがメスです。
雨が降るとよく鳴くので、一歳を過ぎた6月~7月に霧吹きをしてみると、早い子は鳴き始めます。
またメスの方がオスの一回りから二回り大きいことが多いです。
野生は大きくなりますが、飼育下ではオスは4センチ程度、メスは6センチ程度になれば上手に育ったと思ってください。
また体つきがメスはややふっくらし、顔も丸みがあります。でもこれは個体差もあるのでわかりにくいことが多いです。
性成熟は約2年ですが、飼育下だと少し遅れることもあります。
オスメスを一緒のケージで飼っても飼育下だと卵を産むことはほとんど無いので同じケージで飼うことが可能です。
また争うこともないので多頭飼育もOKです。
色揚げと大きさ
最後に、これはおまけですが、美しい緑に育てたい場合はやはり紫外線が大切なようです。
カエルは周りの環境に合わせて体色を変える性質があります。
暗いところに置くと30分ほどで暗い色になりますし、日が当たる窓辺に置くと明るい緑色になります。
もちろん個体差はありますが、長期間明るいところで育つと明るい色を保ちやすくなる気がします。
ただしこれは飼い主の好みの問題であって、紫外線を当てないと健康を害するとか必要であるとかいうことではありません。
留守中に窓際の温度が上がりすぎて高温で死んでしまうリスクもあるので、飼い主のライフスタイルに合わせて考えてください。
※追記:紫外線については研究中ですが、モリアオガエルのような緑色の樹上性カエルの場合、紫外線は必須かもしれないと考え始めています。
色揚げの問題だけでなく、緑色には意味がありそうですし、完全夜行性というわけでもなさそうです。
飼っている感触としては紫外線を当てていない子の方が寿命が短いような気もします。
このあたりは「カエルブログ」で引き続き検証していきたいと思っています。2024/02/25
大きさについては、金魚などと考え方は同じです。
狭いケージで多頭飼いするとあまり大きくならず、広いスペースで飼えばその分大きくなります。
野生(WC)が大きいのは餌を求めて広範囲を移動することで筋肉量も増え、その分おなかもすいて沢山食べるからで、その環境に近いほど大きくなります。
ただ、大きいオスはそれなりに鳴き声も大きいし、また食べる餌の量も増えます。
ちなみにうちにいるおたまじゃくしから飼って二年の子達は30㎝の立方体のスペースに8匹飼って、メスで6.5㎝、オスで4.5㎝くらいです。
この子達の餌は3~4日に一度、羽化前のコオロギを2~3匹を与えています。人工餌と交互に与えるようにしています。
野生で捕まえた子はメスで8.5㎝、オスで7㎝で、餌は3~4日に一度成虫のコオロギを4~5匹食べています。
現在販売しているモリアオガエルはこちらのページをご覧ください
コオロギの管理
両爬を飼うには餌の虫の管理がつきものです。
両爬用の餌虫としては、コオロギ(ヨーロッパイエコオロギ、フタホシコオロギ)、デュビア、レッドローチ、ミルワーム、ショウジョウバエなど色々な種類が売られています。
ここでもっとも餌として使いやすいコオロギの飼い方の勉強もしておきましょう。
食用コオロギには外国産のヨーロッパイエコオロギとフタホシコオロギの2種類がよく使われています。
フタホシの方がやや大きく価格も高い真っ黒なコオロギで、少し大きな爬虫類にむいています。
ヨーロッパイエコオロギは体も小ぶりで柔らかいので嗜好性も消化もよく、特にモリアオガエルはこちらの方がいいと思います。
ヨーロッパイエコオロギ、略してイエコはプラケース、餌、水入れがあれば飼えます。
水入れは小動物用の水入れとして売っているものがとても便利で、私はそれを使っていますが、もちろん家にあるものでも作れます。
コオロギは水に落ちると死んでしまうので、コットンなどを湿らせて牛乳パックの底を切り抜いたお皿に敷くと溺れずに給水できます。
ただこれだと毎日水が乾いていないか確認しなければならず手間がかかるので、私は先ほどの小動物用給水器にティッシュなどをつめて使っています。
イエコは少しの餌切れでも生きていられますが、3日以上水切れすると死んでしまうので気をつけましょう。
私は牛乳パックの底を切り取って、そこに脱脂綿を敷いて水を垂らしていましたが、乾いていないかマメに確認しないとならないので結構手間がかかりました。
それで今は初令コオロギ以外は小動物用の水入れで統一しています。右が水入れの写真です。
コオロギが溺れるので水飲みのところにティッシュなどを詰めます。
初令コオロギは小さすぎて水の表面張力にも負けてしまうので、脱脂綿を床に置き、スポイトで水を足して給水します。
餌とカルシウムもコオロギショップで一緒に買うことが多いです。
専用餌を買わなくてもドッグフードやくず野菜などなんでも食べます。
ただ、コオロギ用の完全栄養食を与えた方がそれを食べるカエルも健康に育つので、長年コオロギ飼育をしてきたプロの業者さんの餌がより良いのかなと思い買っています。
餌はフードに必ずカルシウムを混ぜたものを与えるようにします。
カルシウムやビタミンなどを添加して与えることをガットローディングといい、コオロギに不足しがちなカルシウムを添加することは必須です。
カルシウムか足りないと両爬類はくる病にかかってしまうからです。
くる病にかかると徐々に弱り、高確率で死んでしまいます。
カエルは基本日光浴は必要ないので、反対に食事からのカルシウムが大事なのです。
さらにコオロギを与えるときにカルシウム粉をまぶしてうっすら白くして与えます。
これをダスティングといい、さらにカルシウム強化をするのです。
餌用に使われる虫の成分分析表を見ると、イエコは満点に近い栄養バランスなのですが、それでも自然界で捕食している野生の両爬たちに比べると、圧倒的にカルシウムは足りません。
なのでダスティングはした方がいいと思います。
ダスティングはビニール袋にカルシウム粉とコオロギを入れて振るやり方や、少し高さのある小さいプラケースに入れて振るやり方がありますが、私は後者。前者はビニール袋からコオロギを取り出すのが大変(汗)。
うちの両爬たちは白い虫じゃないと餌だと認識出来ないようで、それくらい常に白い粉まみれの虫を食べているということでしょうね(笑)
あと、コオロギ飼育で気をつけることは、湿度です。
コオロギの糞は乾いているので、そのままではさほど匂いも出ないし多少の汚れは放っておいて大丈夫ですが、湿度があがるとアンモニアがたまって、アンモニア中毒で一気に全滅します。
コオロギが麻痺したような動きを見せるときはアンモニア中毒の疑いがあるので速攻ケージを掃除し、乾燥させてください。
わたしは湿気を防ぐため、蓋をせずに飼育することが多いですが、20㎝以下の高さだと飛び越えられるので、蓋をしない場合は高さのあるプラケースを用意してください。
一度にケースに入れるのが100匹程度なら蓋をしてもさほど蒸れないようですが、夏場は気をつけてください。
コオロギ同士の密度が高くても中毒や共食い率が高くなります。
通気性と表面積の確保のために、紙製の卵パックを使う人が多いです。
最近は卵パックはプラスチックが多いので、コオロギ用紙製卵パックをネットで販売しているくらいです。